さわらびグループ事業戦略発表会

さわらびグループは、「みんなの力でみんなの幸せを」というグループ理念のもと、「超幸齢社会をデザインする」というミッションを掲げ、さまざまな挑戦を行っています。2019年4月13日、穂の国とよはし芸術劇場PLATにおいて、「第2回事業戦略発表会」を開催。改めて、全職員でグループの方向性を再確認するとともに、これから目指すべき未来について、想いを共有する機会を設けました。

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「人手不足」という課題

2018年末、さわらびグループの全職員を対象に満足度調査を行いました。
まずは、「さわらびグループはいい会社だと思いますか」という問いに、「はい」「どちらでもない」と答えたのは合計で約 70%。職場での人間関係や教育環境など、さまざまな観点から満足度を問う質問に対し、最も肯定的な声が寄せられたのが、「担当している業務にやりがいはあると思いますか」という問いと、「上司との関係性はいいと思いますか」という問い。これらについては、8割以上の人が「そう思う」「ややそう思う」と回答しました。そのほか、フリーアンサーの項目では、「自己啓発の機会が多い」「勉強会に参加させてもらえて、成長できる」などの回答が目立ちました。

そうしたなかで、アンケートではグループが抱える大きな課題が指摘されました。それは、「人手不足」という問題です。これはさわらびグループに限ったことではなく、医療や介護における人材不足は日本全体が抱える大きな問題です。
なぜ、常に人手不足が問題となるのでしょう。この理由としては、物理的に「人の手が足りない」ということよりも、むしろ、ご利用者さまや患者さまのニーズが多様化し、職員一人一人に求められる役割が多くなってきたということがあげられると思います。

そのためさわらびグループでは、継続的に新規採用を行うということのほか、人材不足対策の一手となりうる施策にも力を入れています。
それがSHIP、Smart Happiness Information Projectです。
SHIPとは、2017年にさわらびグループがスタートしたプロジェクト。簡単にいうと、福祉村の各施設のデータをつなぎ、一括管理を行うということであり、IoTの力を借りて業務を簡略化することで、職員の負担を軽減するとともに、空いた時間をさらに良いサービスへ当てることが可能になるのです。
すでに、特別養護老人ホーム「天伯」ではご利用者様のデータ共有をはじめています。
職員にお渡ししている携帯電話をスマートフォンへ移行する作業も完了し、今後、ますますSHIPの開発は加速していく予定です。

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変化と目的を「見える化」する

テクノロジーの導入には、業務を効率化するということのほか、もうひとつのメリットがあります。それは、「目標と経過が数値やデータとして、『見える化』する」ということです。
皆さんは、普段、自分が立てた目標に対して、実現が難しいと感じることがあるかもしれません。
それは多くの場合、設定した目標が月日の経過とともに忘れられていることが原因となっています。あるいは、目標達成に向けて、自分がどれだけ変化しているかという経過を、まったく実感できていないということも原因かもしれません。変化が実感できなければ、目標達成に向けてのモチベーションは下がり、やがて目標を見失ってしまうでしょう。
でも、あらかじめ目標と変化を「見える化」すると、問題や課題に気付きやすくなったり、目標達成の意識をみんなで共有することができるようになったり、さまざまなメリットがあります。その「見える化」に大きく貢献するのが、IoTやAIというテクノロジーの力なのです。

こうした「見える化」の大切さを、私は昨年密かに行ったダイエットでつくづく実感しました。
久しぶりに体重計に乗り、これまで見たことのない体重を叩き出してしまった私は、即座にダイエットを決意。真っ先に体重計を購入しました。それは、スマート体重計。体重計に乗るたびに数値がスマホに記録され、自動でグラフ化されていくというものです。
そして、長い時間をかけてダイエットしても意味がないと考え、期間を3カ月に設定。その期間に、69キロから65キロへ落とそうと決めました。
結果からいうと、2018年3月に69キロだった体重は、3カ月後、64kgになりました。このようにダイエットを成功することができたのは、スマート体重計の力を借りて、「目標と変化を見える化したから」です。

私は毎朝決まった時間に体重を測定し、自動で生成されるグラフをチェックしました。
そして、前日に比べて体重が増えてしまった時は食事内容を調整しましたし、順調に体重が減り始めた時は、一層、モチベーションを上げました。
1日1日記録されるデータにはそれほど価値がなくても、1カ月や3カ月など一定期間蓄積すると、大きな意味を示します。
私はこの経験を通し、行動を少し変えてみるだけで、結果は大きく変わることを理解しました。そして、目標を達成するには、「目標と経過を“見える化”すること」「PDCAを着実に回すこと」が大切であることも、改めて実感しました。

事業戦略発表会 挿絵
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さわらびの経験を生かすため、2019年夏、参院選に

このダイエットのなかで、一気に体重が減ってしまった時期があります。それは2018年10月。来年の参議院議員選挙に自由民主党の比例区から立候補することを公表したときです。

私が政治に参加することを決めたきっかけは、7年前に遡ります。
それまでの私は、F1ドライバーとして海外を拠点にしていましたが、日本に戻ってきて、父が創設したこのさわらびグループで、医療と福祉の仕事を始めました。ゼロからのスタートでしたから、はじめはわからないことばかりでした。大学に通って知識を身につけたり、実際に日本各地の病院や施設を訪ねて、現場の様子を体感したりするなかで、多くの方からご指導をいただきました。
そうするうちに、ある思いが強くなってきました。それは、今、日本が目指している「地域包括ケア」を、どこよりも早く実践してきた福祉村の素晴らしい取り組みを、日本全国へ広げ、医療と福祉のレベルを全国的に底上げしていきたいということです。

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現在、日本は「人生100年時代」と言われる超高齢社会に突入しています。そうした社会において、誰もが、いくつになっても、馴染みの土地で幸せに暮らし続けることができる仕組みを「地域包括ケアシステム」と言います。今、日本は国を挙げて、この「地域包括ケアシステム」の実現に取り組んでいます。
その一方、日本では少子化も急速に進行していて、人口がどんどん少なくなっています。さらに、「高齢者」の定義自体も昔と今とではまったく異なっていて、その人がいくつまで働くのか、いつ退職して、いつ第二の人生を歩み始めるのか、退職後の人生をどこで、どのように送るのかなど、人生のあり方も、ますます多様化しています。

そのように多様化した社会で、誰もが幸せな人生を送るには、一体何が必要か?
私は、「誰もがコミュニティに帰属している意識を持ち、そのコミュニティの中で役割を持って、自分ができることで誰かに喜ばれる働きができること」が必要だと考えます。
なぜなら、どれだけ人生が多様化しても、人間は誰もが社会に帰属しながら生きている以上、社会とのつながりを感じることで自分の存在を再確認し、幸せを実感することができるからです。
そう、まさに「幸せとは自立して自由に生き、まわりの人に役立つ働きができる時に感じるもの」という、さわらびグループの理念が、今後、多様化が進む社会では、ますます重要になってくるのです。
それでは、誰もが幸せな人生を送るために、社会はどうあるべきなのか?
私はその具体的な方法について考え、仲間とともに議論を重ねてきました。その結果、思い至ったのは日本らしい、あたたかくて絆の強い地域を再生すること。そして、そうした絆を守っている人々を支援することでした。

少子高齢化が加速し、ますます深刻になる人材不足のなかでは、医療や介護に関わる一人一人の存在がさらに重みを増すでしょう。しかし本当は、「支える人」こそ、誰かの支えを必要としています。だからこそ私は、「誰かを支える人」を支え、仲間を増やしていくことが大事だと思い、政治への参加を決めました。

人生100年時代。
誰もが、「長く生きることは幸せなことだ」と、心から思えるような社会を創りたい。そして、人生の幕を閉じる最期の瞬間まで、人と人との繋がりを感じられる、温かな社会を創りたい。
そのために、私はまだ、世界中の誰も見たことのない、本当に幸せな、超“幸”齢社会をデザインします。
みなさんと一緒に、その第一歩を踏み出すことができたら、私にとってこれほど心強いことはありません。「みんなの力で、みんなの幸せを」というさわらびグループの理念を、日本全体で実現していきましょう。

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